- 大腸カメラ検査(下部消化管内視鏡検査)について
- 当院の大腸カメラ検査の特徴
- 大腸カメラ検査でわかる疾患
- 大腸カメラ検査のタイミング
- 大腸カメラ検査(下部消化管内視鏡検査)の流れ
- 大腸カメラ検査(上部消化管内視鏡検査)の費用
大腸カメラ検査(下部消化管内視鏡検査)について
大腸カメラ検査は、大腸全域の粘膜を直接観察する検査です。この検査により、組織を採取して病理検査を行い、さまざまな大腸疾患の確定診断が可能です。大腸がんの早期発見が可能であり、大腸ポリープが見つかればその場で日帰り手術が行えるため、将来の大腸がんを予防できます。検査に際しては別の日にスケジュールを組む必要がなく、前日の食事制限や当日の下剤服用も1回で済みます。入院も不要です。
当院では、患者様の負担を軽減するために鎮静剤を使用した検査を基本にしています。眠っているかのようなリラックスした状態で不快感を感じずに検査が受けられます。熟練した専門医・指導医である院長が高度な内視鏡システムを使用し、短時間で検査を行います。患者様に安心して検査を受けていただけるよう、心身への負担を最小限に抑えながら行っています。
※ただし、80歳以上の方や杖歩行の方は転倒のリスクがあるため、鎮静剤使用時には付き添いの方が必要です。
当院の大腸カメラ検査の特徴
内視鏡検査はすべて、経験豊富な内視鏡専門医・指導医が担当
院長は内視鏡専門医・指導医であり、これまで多くの経験を積んでいます。検査は短時間で行い、痛みや不快感を最小限に抑えつつも丁寧に細かく確認します。
楽に受けていただくために配慮しています
快適性に細心の注意を払っています。鎮静剤の使用により、眠っているようなリラックスした状態で検査が受けられ、検査中の苦痛や不快感がほとんどありません。スコープ挿入時の負担を軽減するために、軸保持短縮法や体位変化を取り入れた高度なテクニックを用いています。
大腸の曲がりくねった部分も確実に観察するために使用する炭酸ガスは吸収が早く、検査後の腹部膨満感を低減させます。さらに、最新のスコープの搭載により、腸管の圧迫を最小限にし、裏側の観察が容易になり、検査時間を短縮しています。
※ただし、80歳以上の方や杖歩行の方は転倒のリスクがあるため、鎮静剤使用時には付き添いの方が必要です。
ストレッチャーでリカバリールームへ
鎮静剤使用の場合、検査後はストレッチャーで寝たままリカバリールームへ移動し、30分ほどベッドでお休みいただきます。
十分に観察時間をとっています
大腸の粘膜をきちんと確認するためには、最低6分以上の観察が必要とされています。そのため当院では平均的な観察時間を10分程度に設定し、挿入を含めた検査全体の所要時間が10~15分程度となっています。 海外の研究によれば、大腸カメラ検査の観察時間が6分以下だと見逃しのリスクが有意に高まることが明らかになっています。大腸の形状には個人差があり、異なる病変の特徴があるため、微細な早期がんや平坦なポリープを見逃さないよう、適切な観察時間を確保して検査を実施しています。
検査中に発見した大腸ポリープはその場で切除可能
当院の大腸カメラ検査では、検査中に発見された大腸ポリープについて、その場での日帰り切除が可能です。前がん病変のポリープには、ポリープの形状に合わせた高度で安全な切除方法が選択されます。一般的な小さな隆起ポリープの場合には、コールドポリペクトミーが用いられます。この方法は通電しないため、深部への熱の伝達がなく、術後の出血や穿孔などのリスクが低減します。
ただし、ポリープのサイズや数、形状によっては特別な治療法が必要な場合(ESD、EMR)や、出血のリスクが高い病変の場合には、連携医療機関をご紹介しています。
徹底した洗浄と消毒による感染予防
当院では感染予防対策として、使用する器具に関して徹底した洗浄と消毒を行っています。ディスポーザブル製品が使用可能な場合は採用し、使い捨てができない器具についても内視鏡学会が定めたガイドラインに則り、オートクレーブなどを使用して洗浄と滅菌を徹底しています。各患者様ごとに清潔な器具を提供し、感染リスクを最小限に抑えています。
土曜の大腸カメラ検査も対応
当院では、患者様が平日に検査を受けられない場合でも対応できるよう、土曜日にも大腸カメラ検査を実施しています。土曜日の検査でも、必要に応じてポリープ切除などの処置が可能です。
同日に胃カメラ検査(上部消化管内視鏡検査)と大腸カメラ検査(下部消化管内視鏡検査)の施行が可能
当院では、1日で胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)と大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)の両方を受けられる体制が整っています。このため、1回の診療で両方の検査を受けることが可能です。患者様にとっては前日や当日の食事制限が1回で済み、スケジュールの負担を軽減できる利便性があります。40歳を超えて、健康管理の一環として両方の検査を受けたい場合にも、同日にまとめて気軽に検査を行うことができます。
大型ハイビジョンの液晶モニター
当院では、検査中に大型ハイビジョン液晶モニターを使用し、大腸内部の粘膜を詳細に観察しています。この新しい設備導入により、より鮮明で詳細な画像を得て、正確な診断が可能になりました。モニターの画質は安定しており、光の当たり具合や角度の変化にも影響を受けず、検査の品質向上が期待されています。
炭酸ガスで検査後のお腹の張りを軽減
当院では、患者様が検査後できるだけ早く快適な状態に戻れるよう、心掛けています。大腸カメラ検査後に発生するお腹の張りや膨満感を迅速に緩和するために、当院では吸収性が高く安全な炭酸ガスを使用しています。腸内に気体を送り込むことで腸を膨らませ、細部まで確認しやすくしますが、この際に通常使用される空気よりも炭酸ガスの方が早期に腸管内から吸収され、体内から排出される特長があります。このように、炭酸ガスの使用により検査中の腹部膨満感や検査後の不快感が軽減されます。
大腸カメラ検査(下部消化管内視鏡検査)でわかる疾患
大腸カメラ検査は、日常的な症状である下痢、便秘、腹痛、下血および血便などの症状に対する診断手段として重要です。これらの症状は良性な疾患に由来することもありますが、大腸がんや前がん病変の大腸ポリープ、クローン病、潰瘍性大腸炎などの深刻な疾患のサインであることもあります。
大腸カメラ検査では、大腸全域の粘膜を詳しく観察し、特定の病変を見極めることが可能です。以下は、大腸カメラ検査で診断可能な主な疾患です。
- 潰瘍性大腸炎
- クローン病
- 大腸がん
- 大腸ポリープ
- 虚血性大腸炎
- 大腸憩室症
- 内痔核
など
大腸カメラ検査のタイミング
40歳を過ぎると大腸がんのリスクは増加していくため、大腸カメラ検査は40歳以上から定期的に受けることをお勧めします。特に家族の方に大腸がんや大腸ポリープを発症した方がいる場合や、喫煙や過度な飲酒の生活習慣がある方はリスクが高まるため早期検査が重要です。大腸がんは自覚症状が乏しいため、検査によって早期発見し、日帰り手術で切除を行うことで将来のがん予防にもつながります。
当院では負担を最小限に抑えた、鎮静剤を用いた無痛検査を提供しており、安心して検査を受けていただくことが可能です。
早めの大腸カメラ検査が必要な方
40歳以上で検査を受けたことがない方:大腸がんのリスクが50歳以上から急上昇する中、40歳以上で初めて受ける方は早めの検査が重要です。
家族に大腸がん歴がある方:家族に大腸がんの症例がある場合、30歳以上でもリスクが高まります。
潰瘍性大腸炎やクローン病などの慢性疾患に罹患している方
大腸の慢性炎症を引き起こす疾患がある場合、がんのリスクが上がる可能性があり、早期検査が勧められます。
がんの既往歴がある方
がんを経験したことがある場合、再発や新たながんの発見のために早めの大腸カメラ検査が必要です。
大腸ポリープが見つかった方
大腸ポリープはがんの前段階となることがあります。ポリープが見つかった場合、早期の切除が大切です。
大腸カメラ検査(下部消化管内視鏡検査)の流れ
1事前診療と検査予約
患者様が大腸カメラ検査をご希望される場合、まずは事前診療を行います。問診を通じて、症状や既往歴、薬の服用状況、家族歴などの情報を収集します。患者様には検査や検査後の対応に関する詳細な説明を行い、大腸ポリープが見つかった場合の日帰り手術や検査前処置についても説明いたします。予約に関しては、①診察後にクリニックで予約いただく場合、と②事前にホームページで予約いただく場合。の2パターンあります。
診察後に、検査前日や当日に服用する薬についてもお伝えします。
お薬に関するご注意
血液をサラサラにする抗血栓薬(凝固剤、抗血小板薬)を服用されている方は、組織採取やポリープの切除時に出血が止まらなくなるリスクがあります。また、糖尿病の薬を内服している場合にも注意が必要なため、必ず事前診療の際に医師にお伝えください。お薬手帳や処方薬の明細、実際の薬剤をご持参いただくと、より正確な情報提供が可能です。患者様の健康を最優先に考え、適切な対応を行います。
2検査前日
お薬を服用されている方は、診察時に服用継続あるいは休薬の指示をします。検査前日の食事は、3食とも大腸検査食、またはおかゆ・うどん・そうめん・食パン・卵スープ・豆腐・卵・白身魚・ビスケットなど消化しやすいものを食べてください。繊維の多い野菜、消化しづらいもの、刺激物やアルコールなどは避け、夕食後には医師から提供された下剤を服用して就寝してください。検査終了後まで絶食となりますが、水分補給は十分に行ってください。
※人によって、検査が出来る状態になるまでの時間が異なります。
便秘の方は検査予約時に主治医にお伝えください。
※前日の下剤で、腹痛が強くなった時は、ご連絡ください。
3検査当日
検査の4~6時間前に、ご自宅で約2リットルの下剤を複数回に分けて飲んでください。排便が落ち着いたら、ご予約の20分前に来院してください。遠方や下剤の服用に不安のある方は、院内での下剤服用も可能です。また、下剤服用が困難な方で、上部消化管内視鏡検査を同日に受ける場合、上部消化管内視鏡検査の際に下剤を消化管内に注入(服用のかわりに)することも可能です(別途費用がかかります)。ご希望の場合は、事前診療の際にお知らせください。
来院に関するご注意
鎮静剤使用時は検査後に自動車・オートバイ・自転車の運転が禁じられています。また、当院には駐車場および駐輪場はありませんので、公共交通機関で来院してください。
院内での下剤服用をご希望の方へ
下剤服用が不安な方や遠方から来院される方は、院内での下剤服用が可能です。半個室とトイレが備わっており、医師や看護師がサポートいたします。ご利用希望の場合は、事前にお知らせください。
4ご来院
検査予約時間の20分前にご来院ください。腸内が清潔になった状態でのご来院をお願いします。更衣室で、当院が用意した検査着に着替えます。
5検査
血液をサラサラにする抗血栓薬(凝固剤、抗血小板薬)を服用されている方は、組織採取やポリープの切除時に出血が止まらなくなるリスクがあります。また、糖尿病の薬を内服している場合にも注意が必要なため、必ず事前診療の際に医師にお伝えください。お薬手帳や処方薬の明細、実際の薬剤をご持参いただくと、より正確な情報提供が可能です。患者様の健康を最優先に考え、適切な対応を行います。
平均的な検査所要時間は15~20分程度ですが、状況によっては時間がかかることがあります。鎮静剤の投与は患者の体格や年齢、体質に合わせて調整を行い、楽に検査を受けていただくことが可能です。
※ただし、80歳以上の方や杖歩行の方は転倒のリスクがあるため、鎮静剤使用時には付き添いの方が必要です。
6検査終了
検査が終了した後、約10-30分程度で覚醒します。
7結果の説明
内視鏡検査終了後、院長が異常の有無や病変の状態、今後の治療の必要性の有無や、経過観察の方法などについて詳しく丁寧に解説します。
検査中に組織を採取した場合やポリープを切除した場合、その結果は約2週間後に出ます。再診が必要であれば再び診察に来ていただき、病理検査の結果を説明します。
8ご帰宅後
検査終了後、1時間後から飲食が可能となりますが、前日の食事制限や下剤服用により低血糖の可能性があるため、予防のためには甘いものを最初に摂取することがおすすめです。当日は激しい運動を控え、ポリープの切除を行った場合には豆腐、プリン、ゼリー、ヨーグルトなどの消化しやすい食事をとりましょう(詳細は検査後説明いたします)。
ポリープ切除後は、翌日までは出血のリスクがあるため、飲酒、激しい運動、長風呂、排便時のいきみは避けるようにしてください。また、出血時の対応が困難となるため旅行・出張などの遠出は避けるようにしてください。
大腸カメラ検査(上部消化管内視鏡検査)の費用
1割負担 | 3割負担 | |
初診(感染症採血含む) | 約700円 | 約2,000円 |
大腸内視鏡(大腸カメラ)検査のみ | 約2,500円 | 約7,500円 |
大腸内視鏡検査+組織検査 | 約3,000円~5,000円 | 約10,000円~16,000円 |
大腸内視鏡検査+ポリープ切除 | 約7,000円~10,000円 | 約20,000円~30,000円 |
※ポリープ切除では短期滞在手術等基本料1が別に加算されます。
※別途初診料や鎮静剤などの薬代が追加されます。